ネズミ


 

 ネズミ類の殆どは野外に生息し、野鼠と呼ばれています。

 一方で、家屋内や飲食店、食品関連施設などに入り込み害を及ぼすネズミは

家鼠と呼ばれ、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミの 3種がいます。

 

 - 種   類 -

 

 ドブネズミ

 

  体長 20~26cm、体重 200~400gで家ネズミの中では 1番大きい。

  尾の長さは頭胴長よりも通常やや短く、口吻は丸みがあり、耳は小さい。

  泳ぐのは得意で、河川域の土手や下水、植え込み等の土中に巣をつくり

 家屋へは排水溝などから侵入します。

  雑食ですが、動物質のものを好む傾向があります。

  性質は荒いです。

 


 

 クマネズミ

 

  体長 18~20cm、体重 120~200gでドブネズミより小さい。

  尾の長さは頭胴長よりも通常等しいか長く、口吻は尖っており、耳は大きい。

  木登りが得意でパイプをよじ登ったり、壁の桟を走ったりします。

  天井裏や壁の中、物置の中等に巣をつくり、電線を伝ったりして侵入します。

  雑食性ですが、植物質のものを好む傾向があります。

  性質は用心深いです。

 


 

 ハツカネズミ

 

  体長 6~9cm、体重 10~20gで小さい。

  尾の長さは頭胴長よりも通常やや短い。

  渇きに強く、水分なしのところでも長期間生きることが出来ます。

  一般家庭の物置や納屋、プラスチック原料倉庫や織物工場など、餌となる

 食品を取り扱っていない倉庫や施設などでも見つかります。

  一般的な食料の他にも種子といった植物性のものや、昆虫なども食べます。

  好奇心は旺盛で、よく捕獲されます。

 


 - 被 害 と 対 策 -

 

被害

 

 ネズミによる被害は、食品や建材、家具、通信関係のケーブルを囓られる等の

直接的な被害だけでなく、サルモネラ等の食中毒菌の媒介があります。

 また、イエダニやノミなどの外部寄生虫が寄生しており、これらが宿主から離れる

ことによって人が刺されたり、吸血される被害に遭うことがあります。

 

 

防除対策

 

 ネズミが盛んに活動する場所や頻繁に通る道には、必ず跡が残ります。

 これをラットサインと呼び、防除を行う上で重要な手掛かりとなります。

 天井裏や食品棚、物陰の隅など盛んに活動する場所には必ず糞が見られ

頻繁に通るパイプや柱、壁などは、ネズミの脂ぎった汚れが付着し黒光りしています。

 同時に点々とした黒ずんだ足跡も見られます。

  

 さらに、囓り跡やネズミ特有の臭いなどによってもわかります。

 この様な場所に器具や薬剤を設置することで、非常に効果的にネズミを防除できます。

 

壁と鴨居の上の汚れ

ネズミの糞


 

 

 1.器具を用いての防除

 

 はじき罠や捕獲カゴ、粘着剤(粘着シート)を使って捕獲する方法などがあります。

 ネズミに寄生している外部寄生虫は、ネズミが死ぬと体から離れます。

 また、死体からハエの幼虫が発生したりします。

 

 上記を防ぐため、当協会では粘着シートを使った駆除を行っています。

 例えば、天井裏をネズミが走り回っている場合、天井裏に粘着シートを大量に敷いて

ネズミを捕獲し、ダニやノミも一緒に粘着シートごと廃棄します。

 

防除例

 

 

 2.薬剤を用いての防除

 

 殺鼠剤や忌避剤(トウガラシ辛味成分を含む製剤)を用いて防除を行いますが

基本的には殺鼠剤はあまり使わないほうが良いでしょう。

 殺鼠剤を食べて死ぬ場合、回収困難な暗い隙間などで死ぬこともあるためです。

 殺鼠剤を使う場合は屋内ではなるべく使うのを避け、家屋周囲や施設周囲に配置します。