ネズミ類の殆どは野外に生息し、野鼠と呼ばれています。
一方で、家屋内や飲食店、食品関連施設などに入り込み害を及ぼすネズミは
家鼠と呼ばれ、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミの 3種がいます。
◆ - 種 類 -
ドブネズミ
体長 20~26cm、体重 200~400gで家ネズミの中では 1番大きい。
尾の長さは頭胴長よりも通常やや短く、口吻は丸みがあり、耳は小さい。
泳ぐのは得意で、河川域の土手や下水、植え込み等の土中に巣をつくり
家屋へは排水溝などから侵入します。
雑食ですが、動物質のものを好む傾向があります。
性質は荒いです。
クマネズミ
体長 18~20cm、体重 120~200gでドブネズミより小さい。
尾の長さは頭胴長よりも通常等しいか長く、口吻は尖っており、耳は大きい。
木登りが得意でパイプをよじ登ったり、壁の桟を走ったりします。
天井裏や壁の中、物置の中等に巣をつくり、電線を伝ったりして侵入します。
雑食性ですが、植物質のものを好む傾向があります。
性質は用心深いです。
ハツカネズミ
体長 6~9cm、体重 10~20gで小さい。
尾の長さは頭胴長よりも通常やや短い。
渇きに強く、水分なしのところでも長期間生きることが出来ます。
一般家庭の物置や納屋、プラスチック原料倉庫や織物工場など、餌となる
食品を取り扱っていない倉庫や施設などでも見つかります。
一般的な食料の他にも種子といった植物性のものや、昆虫なども食べます。
好奇心は旺盛で、よく捕獲されます。
◆ - 被 害 と 対 策 -
被害
ネズミによる被害は、食品や建材、家具、通信関係のケーブルを囓られる等の
直接的な被害だけでなく、サルモネラ等の食中毒菌の媒介があります。
また、イエダニやノミなどの外部寄生虫が寄生しており、これらが宿主から離れる
ことによって人が刺されたり、吸血される被害に遭うことがあります。
防除対策
ネズミが盛んに活動する場所や頻繁に通る道には、必ず跡が残ります。
これをラットサインと呼び、防除を行う上で重要な手掛かりとなります。
天井裏や食品棚、物陰の隅など盛んに活動する場所には必ず糞が見られ
頻繁に通るパイプや柱、壁などは、ネズミの脂ぎった汚れが付着し黒光りしています。
同時に点々とした黒ずんだ足跡も見られます。
さらに、囓り跡やネズミ特有の臭いなどによってもわかります。
この様な場所に器具や薬剤を設置することで、非常に効果的にネズミを防除できます。
壁と鴨居の上の汚れ
ネズミの糞
1.器具を用いての防除
はじき罠や捕獲カゴ、粘着剤(粘着シート)を使って捕獲する方法などがあります。
ネズミに寄生している外部寄生虫は、ネズミが死ぬと体から離れます。
また、死体からハエの幼虫が発生したりします。
上記を防ぐため、当協会では粘着シートを使った駆除を行っています。
例えば、天井裏をネズミが走り回っている場合、天井裏に粘着シートを大量に敷いて
ネズミを捕獲し、ダニやノミも一緒に粘着シートごと廃棄します。
防除例
2.薬剤を用いての防除
殺鼠剤や忌避剤(トウガラシ辛味成分を含む製剤)を用いて防除を行いますが
基本的には殺鼠剤はあまり使わないほうが良いでしょう。
殺鼠剤を食べて死ぬ場合、回収困難な暗い隙間などで死ぬこともあるためです。
殺鼠剤を使う場合は屋内ではなるべく使うのを避け、家屋周囲や施設周囲に配置します。